ドーピング一掃の成果

世界陸上が閉会した。
今のところドーピング問題は表面化していない。
いつも大会終了後に裏切られたような何とも複雑な気持ちにさせられるが、
スーパーアスリートたちの熱い戦いに嘘が無かったと素直に喜べるのが嬉しい。
カールルースやマイケルジョンソンのようなスーパースターはいないが、
これほどまでにアメリカの層の厚さを見せつけられた大会も初めてだ。
ハードル以外の短距離種目制覇は見事だったし、
何より中長距離や投擲でも目覚ましい活躍だった。
惚れ惚れする様な研ぎすまされた肉体は
ドーピングが暗躍していたパワー全盛時代よりしなやかで美しくさえ思えた。
ドーピング一掃の恩恵は誰よりもアスリート自身に与えられたのではないだろうか。
技術への飽くなきチャレンジが肉体開発をも押し進めたのだろう。
日本選手にも光明が差し込んだように思う。
技術力の追求こそが肉体を作り上げる。
身体的なビハインドを克服するより、
もっともっと技術的な精度を高める工夫をすることで、
必ずや世界と戦える肉体へと成長するであろう。
そして、短距離跳躍種目にこそ、
世界で戦える潜在能力があると信じている。