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スポーツ交遊日記    山根武司 シーエフスポーツ事業部所属。 サプリメント「セリア」の企画開発営業を担当する一方、スポーツ栄養アドバイザーとして陸上・長距離ほか多方面で活躍中。


by cf-seria

好きから自立へ

昨日、訪れた高校のグランドでしばし目を疑った。
砂塵舞うラグビーポールの下で
男子と一緒にパスまわしする女子の姿があったからだ。
ショートヘアーで日焼けしていて
一瞬、随分可愛らしい男子だなと思ったくらい。
ただ目の輝きとプレーは群を抜いていて、
タックルのスピード感も圧力もかなり肝いりである。
陸上部の先生によると100mも12秒台の逸材らしい。
「明大ラグビー部出身のお父様の影響でね、
ワールドカップの日本代表を目指しているんだよ。」
と落胆されているのがちょっと痛々しかった。
彼女がリレーメンバー入りしたら、
あの名門市船にも勝てるかも知れない・・・。

同じ高校の野球場にも女子選手がいた。
何でも二年生の中では一番上手らしい。
80人近く部員がいる中でレギュラーも夢ではなさそうだ。
好きでやっていることほど強いものはない。
改めてそう思った。

いわゆる県立のエリート進学校。
放課後だというのに
学校には生徒が溢れていて
部活動が活発に行われている。
プールではウオーターボーイズがカルガモの親子のように
一列になってひたすら泳いでいる。
それを見守る女子マネージャーの姿も微笑ましい。

陸上部だってこれからが楽しみだ。
オリンピック選手を育てた先生が赴任されたからだ。
こんな生徒に恵まれて先生も今まで見たことないような表情をされていた。
やれと言わなくてもいい。
乾いた砂に水が染み込むように
何でも吸収してやろうという下地がある。
道を示してやれば、あとは勝手に進んでいくだけのこと。
そんな学校の雰囲気に浸っているうちに
何だか懐かしさが込み上げてきた。

一方、特待生騒ぎで揺れている私立高校は
特定の部活動以外はほとんど活動せず、
放課後は閑散としている場合が多い。
特進クラスづくりが流行っていて、
7時間授業の私立校も増えている。
知らないうちに都内の私立校は土曜もびっしり授業をやっている。

ゆとり教育の見直しだとか、
週休二日の廃止だとか教育論議には事欠かない昨今、
僕の経験からも言いたいのだが、
高校で詰め込むのは間違っている。
高校になったら自由に自分の将来像を描いて、
それに向かって我武者らにやることが許されるべきだ。
高校生なら失敗も許される。
失敗こそが大事な経験なのだから。
勉強でもスポーツでも恋愛でも、
何でも思った通り自分の意志で突き進めば良い。
これが愛情を育むことにもなる。
これこそが自立の一歩ではないだろうか。
義務教育ではないのだから、
自立を考える場であって欲しい。

変革すべきはもっと幼少期の教育全般、
いやいや大人のエゴが元凶ではないだろうか。
願わくば生徒たちの意志で突き破ってくれたら・・・。
by cf-seria | 2007-06-07 10:42 | スポーツ栄養アドバイザー