氷
2006年 08月 03日

今朝、ランニング中に雲一つ無い夏の日差しを仰ぎ見たら
中学一年生の夏休みの風景が脳裏に蘇った。
野球部は1日も休まず朝から日暮れまで練習漬けだった。
60人くらいはいただろうか。
当然、ボールになんか触れない。
レギュラーは雲の上の上くらいの存在だ。
野球なんてやった記憶がないくらいだ。
午前中はずっとウサギ跳びだったり坂ダッシュを言い渡されて、
どこまでやったら終わるのかは決して告げられないまま、
燃えるようなグランドでただひたすらに跳び続ける毎日だった。
手押し車なんて日にゃ、やけども覚悟しなければならい。
真っ白に焼けた関東ローム層はいったい何度あったんだろう。
みんな手の皮がべろりと剥けていた。
もちろん、当時は給水なんてありゃしない。
だから、命は自分たちで守らなければならなかった。
朝早く、上級生が来る前にグランド脇の竹林の中に入って、
水を入れた500mlの紙パックを埋めておくのだ。
球拾いで竹林に入った時に
ボールを探すふりして穴に埋めてあった紙パックに口をつっこんで
チュウチュウすって飲んだものだ。
ところが、どういう訳か先輩に見つかってしまい
おしりがバットの形が分かるほど真っ赤に腫れ上がった。
それでも懲りなかったんだから生命力とは凄いものだ。
ところで、そんな僕らの楽しみは極冷えカルピスだった。
監督が「おい、一年坊主、氷買ってこい!」
すると2、3人の一年生が一輪車を押しながら跳ぶように氷屋へ走った。
駅前の氷屋までは一キロぐらいはあったはずだが、
この時ばかりは楽しくて楽しくてもっと近く感じた。
三貫目は12キロくらいだろうか。
よろけながらも大事に大事に運ぶと
大きなポリバケツに放り込んだ。
これが待っていると思うだけで
午後も頑張れる。
頭叩かれようが何されようが、
柄杓でカルピスすくってくれるだけで
こんな良い先生いないって騙されちゃうから単純である。
バカだね、まったく。

by cf-seria
| 2006-08-03 12:52
| はじめの一歩